2018年2月11日日曜日

1号報告書


JICA青年海外協力隊は、2年間で5回報告書を提出する義務があります。

今回は私がスリランカに来て3ヶ月目にJICAに提出した1号報告書を載せます。



■報告書要約
任地に到着して、まだ1カ月しかたっておらず活動はこれからといったタイミングで学校 が長期の休みに入ってしまうので、歯がゆい気持ちはありますが、休みの間に語学のブラ ッシュアップをしたいと思っています。現時点で一番の不安要素は、タミル語でのコミュ ニケーションなので、早く活動を円滑にするためにも語学アップを第一の目標に日々の生 活を送っていこうと考えています。 また、職種がサッカーで、配属先のオフィスやデスクがあるわけではなく、毎日同じ人に 会ったり、同じ生活を送るわけではないので、日々のスケジュールのコントロールが大事 になります。その点は計画的に活動を行うとともに色々なところに顔を出して自分の存在 を知ってもらえるように動いていこうと思っています。 任地のジャフナはとてもサッカーが盛んで、色々な場所でサッカーを教えてくれと言われ ます。また、先輩隊員のおかげでサッカークラブやサッカーチームをたくさん紹介しても らっているので、そのネットワークをうまく利用して、自分の活動につなげていければと 考えています。ジャフナはサッカー隊員にとっては、とてもいい環境で活動を行うことが 出来ます。
また CP が 2 人おり、ともに私の活動に協力的なので感謝しています。これからの課題は小 学校でのサッカーの普及活動ですが、周りの方を巻き込んで一緒になって活動を進めてい ければと思います。
CP:カウンターパートのこと(一緒に仕事をする人) 



1. 活動地域及び配属先の概要
(配属先:スリランカサッカー連盟) 
任地であるジャフナは、スリランカ最北端のジャフナ半島の先端部に位置しており、北部 州の州都である。ジャフナ県の県都でもある。1983 年のスリランカ内戦勃発前までは、コ ロンボ首都圏に次ぐ人口を持つスリランカ第 2 の都市であった。現在は内戦の影響もあり 第 10 番目以下となっている。
内戦中は 1986 年と 1989 年から 1995 年にかけて反政府組織タミルイーラム解放のトラ (LTTE) の支配下に置かれており、いまだに町の中のいたるところに内戦の傷跡が残ってい る。 ジャフナは、タミル人が多くを占めていて、タミル人の大半はヒンドゥー教徒である。海 側に住んでいる人々はキリスト教が多く、ムーア人は、イスラム教徒である。またジャフナには少数ながらタミル人の仏教徒も存在している。ジャフナに住むシンハラ人の多くは 仏教徒かキリスト教である。 配属先はスリランカ国内のサッカー普及、国内クラブチーム大会の開催運営、スリランカ 代表サッカーチームの育成、国際大会への参加等、サッカーに関するすべての業務を担う 組織である。また、教育省が推奨する 7 種目スポーツの一つとして放課後、あるいは体育 授業の一環としてサッカーが行われている小中学校で、技術面での支援を行っている。


2. ボランティアが所属する部局の概要 
スリランカでは国民的なスポーツと言えば、クリケットであるが、任地となるジャフナで はサッカーが盛んである。 北部州ジャフナはスリランカ内戦の影響を強く受けた地域の一つであるが、2009 年の内戦 終結後急速にインフラ整備が進んでおり、2014 年にはサッカーも可能な公共運動公園が整 備された。ジャフナにはいたるところにサッカー広場がある。 配属先にオフィスはないので、仕事の話をするときは、2 人の CP と直接会って打ち合わせ をするか、電話でこまめに連絡を取り合っている。
1 人の CP は、ジャフナのコーディネーターを務めており、また近所のカレッジで教師をし ていて、放課後はサッカーのコーチもしている。時々彼の学校の選手にサッカーを教えて いる。週 3 回~4 回は顔を合わせており、毎週土曜日は、近所のスタジアムでサッカークリ ニックを一緒に行っている。
もう一人の CP は、すでに仕事を引退しており、主にサッカーの大会運営やジャフナサッカ ー連盟の事務作業などをしている。彼は元教師なので、学校での仕事の際には協力してく れている。
2 人ともとても協力的であり、私の相談をいつでも聞いてくれている。



3. 配属先のニーズ
 配属先であるサッカー連盟からは、仕事の内容をいくつか指定されたが、その内容を CP 2 人は知らなかった。そのため最初に CP 3 人で今後の方向性を話し合った。 最初にサッカー連盟から依頼された主な仕事は、トレーニングセンターの運営である。U-19U-17U-15U-13U-12U-11U-10U-9 の中で有能な選手を集めてトレーニングを 行ってほしいとの依頼であったが、現実的に 1 人では難しいので、まずは以下の内容をし ながら、その準備をしていこうということになった。 普段の活動は、学校のクラブ活動(部活)やクラブチームのコーチングをしていくことに なった。
クラブ活動は CP の学校、CP の知り合いの学校、以前に隊員が教えていたチームなどを紹介してもらって活動を行っている。 また、学校の授業の中でサッカーやボールを使った運動をして、サッカーの普及をする予 定になっているが、3 月の下旬からテストが始まり、4 月は休みになってしまうので、この 活動は休み明けからのスタートとなる予定である。 毎週土曜日にはサッカークリニックがあり、普段回ることが出来ない地域に行って、サッ カーの普及活動を行っている。


4. 活動計画準備状況
CP と話し合い今後の活動の方向性を探っている状態である。 メインとなる活動は、放課後のクラブ活動と学校の授業の中でのサッカーやボールを使っ た運動である。 まだ、巡回する学校は決まっていないが、休み明けの4月末には活動を本格的に開始した いと思いっている。 巡回する学校は、教育省のアシスタントディレクター(AD)がいくつかの学校をピックア ップしてくれた。休み明けに彼と一緒に学校を訪問する予定である。とても協力的な方で、 彼は体育隊員の CP で、隊員の活動も理解しており、何かあったときは相談にのってくれる のでとても頼りになる。 ピックアップしてもらった学校をもとに、簡単な計画表を作成したので、それを添付する。 サッカー連盟には、CP がそれを持って活動の話をしてくれる予定になっている。 また、サッカーの普及とスポーツの早期開始という観点から、小学校(U-10)の子供たち にサッカーを教えたいと考えている。その考えに対して CP は理解をしてくれているので、 まずは彼の学校でそれを出来ないか画策中である。



5. 受入国の印象
 スリランカ、コロンボに来て第一印象は、すごく発展しているなと感じた。コロンボで手 に入らないものはないほど、必要なものは揃っているし、日本食、日本料理店もあるので 特に生活で困ることはないといえる。 以前にバングラデシュの隊員だったのでバングラデシュと比べると、言葉は、コロンボは 英語が通じるのと、会話をしていても曖昧な返事で済まさずしっかりと受け答えをしてく れると感じた。物価はバングラデシュよりも 2 倍から 3 倍するので、最初は少し戸惑った が、すぐに慣れることが出来た。 宗教は仏教が多く、どことなく日本と似ているところがあると感じる。ものを大切にする ところや、動物を大事にするのは日本と同じだと思う。 任地のジャフナは、コロンボとは全然違っていて、いい意味で南アジア感があり、その部分はバングラデシュに似ている。私の住んでいる地域はキリスト教の方が多く、行ってい る学校もキリスト教が多いので、ヒンドゥー教の文化を感じることは今のところない。今 後は色々な人と関わり様々な文化や宗教に触れてみたいと思っている。 

以上